あの時、夫が白馬に乗った王子様に見えましたわ
末っ子エー坊の4ヶ月健診の日のこと。
その日は夫がどうしても仕事を休めなかった。
なにやら、試験があるとかなんとか。しかも車も使うらしい。
いや、健診くらい、私だけで全然行けるから、それはいいんだ。
ただ、、、2歳のキング・オブ・自由人、
ヤー坊と留守番してて欲しかったぁぁ!!
だってだって、ほんっと大変なのだ!
混ぜるな危険⚠️のヤー坊とエー坊を、私一人で連れ出すのは!
わかってる、わかってる。
世の中のお母様方が、みんなそういう試練を乗り越えていることも、私の言っていることが甘えだということも。
ただね、ヤー坊、本当に手がかかる!
アリさんを見つければ、30分だって平気で研究するし、セーフティコーンの中にも入っていくし、
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最近はタンポポの綿毛を見つけたら、ひとつ残らずフゥーってしないと気が済まないとか、
並んでいる木があれば、一本ずつ熱くハグするとか、まぁー独特なブームが到来している彼。
そして、絶賛イヤイヤ期ときたもんだ。
二言目には、「いやーや」って、すぐ言う。
すぐ言うぅぅーー!!!
あぁ。そんなヤー坊と、抱っこ星人のエー坊二人を連れて行くことを想像するだけで、私は震えるよ、、
でも、そんなことをグダグダ言ってても仕方ない。やるしかないのだ!
健診当日。
車は夫が使っているので、タクシーでむかう。
帰りは、試験を早めに終わらせる事ができれば迎えにくるとのこと。
メーターとにらめっこする私。
止まれ!止まれ!と念じるが、無情に上がり続けるメーター。
、、、3000円!!高!!
高いってばよ!!
3000円あったら、びっくりドンキー、2人食べれるんでないの、しかもデザート付きで!!
いや、そんなケチ臭いことを考えるのは、もうよそう。
これからの健診に、全集中だ。
ついに健診が始まった。
受付を済ませ、エー坊の名前が呼ばれるまで待つのだが、
とにかく誰の名前を呼ばれても、元気よくお返事するヤー坊。
まぁまぁ、そんなのは想定内。
皆様に注目されても、このくらいダメージ0だ。
やっとエー坊の順番。
保健師さんに、色々きかれるのだが、、
エー坊、まさかのギャン泣き!
や、ちょ、嘘だろ。
エー坊、あんたはノーマークだったわよ!
だって、いつもお外では、ニコニコ静かなリアルキューピーちゃんと化してるじゃないのさ!
今日に限って!まわりの皆様が振り返るレベルのギャン泣きときたか!!
あたふたとエー坊に気を取られてると、、、
あっちのほうで、ヤー坊が、敷いてあるジョイントマット、剥がしまくってるぅぅ!
うそーーーん!!
すみません、すみませんと、保健師さんにも、まわりの親子にも、ペコペコしながら連れ戻す。
保健師さんは、ギャン泣き継続中のエー坊に優しく、少しママに抱っこしてもらおうか~、あら~眠いのかな~怖くないのよ~うふふ~などと話し掛けている。
優しい対応ありがとうございます。
ただ!とりあえず!泣いててもいいから、やることやって早く終わらせてください!泣
ジョイントマット剥がし隊のヤー坊を、半ば羽交い締めしながら、そう願う私。
ヤー坊の動きが止まったので、私はエー坊を抱き上げる。
そしたらば、ヤー坊、「さ、もうこのくらいでおしまいにしましょうや」みたいな顔して、保健師さんにスリッパを渡している。
ちょ!こら!まだ終わってないから!
ほんでなによその表情!失礼だからやめてくれよ!
続きまして小児科医の診察。
エー坊が診てもらってる間、ヤー坊は椅子をくるくるくるくる回して爆笑している。
エー坊を押さえている私は、ヤー坊のそのくるくるを止めることもできず、鬼のような目でヤー坊を睨むことしかできない。
その時のドクターの苦笑した顔を今でも忘れられない。
え。待って。私ら、クレヨンしんちゃんとみさえみたいじゃないの。
やっと終わって、ギャン泣きするエー坊に服を着せる。
その間も、ずーっと私の右足にまとわりついてくるヤー坊。
エー坊に服を着せながら、右足だけはしがみついているヤー坊の為に、信じられないスピードでゆらゆら揺らす私。
なんっじゃこりゃ!
何をやっとんのじゃ私は。
もう、まわりの皆様も、こっちをずっと見ているのがわかる。
そりゃそうだわな。
マスク湿らせるくらいスーハー息しながら、
汗をかき、息子二人相手に奮闘している私。
まわりの皆様の目には私達どう映ってるのかな?
ところで、皆様のお子さん、なんでそんなに静かで良い子なんですの?
すみません、騒がしくて本当すみません。
あーやばい、ちょっと泣きそうだぜ。
、、、その時、ふと視界に入ってきた、見慣れた足。
「ママ、大丈夫?」そう言われて見上げると、、、
夫だ。夫が来た。
試験を早く終わらせて、駆けつけてくれたんだ。
え。ちょっと待って。
ねぇ夫。あれ、そんなにかっこよかったか!?
もう、言い表せられないくらいの、とんでもない安心感がそうさせたのか、、、
夫が、白馬に乗った王子様かのように見えるわっ!
目を覚ませよ私!
そんなはずはないから!しっかりしろ私!
でも、あの時は本当に、夫が来てくれて、一気に力が抜けたんだ。
もちろん、白馬に乗った王子様ではなかった。いつもの黒縁メガネの大男の夫だった。
ただ、私にとっては、あの時の夫は間違いなくヒーローだった。
帰りの車中で、夫が言った。
「俺には、試験なんかよりも、大切なものがあるから」、、、ふむふむ。
「それは、家族と、、、」、、、ふむふむ♡
「タクシー代だ!」、、、ブフォーーー!!!
いやー、夫よ!
あのね、そうだよねぇ!!
全く同感だわ!異議なしよ!!
健診で往復6000円は、払ってられないよねぇ!?
理由はさておきさ、来てくれてありがとうね。
本当に、助かったよ。
そしてさ、次回のエー坊の健診の時は、絶対ヤー坊とお留守番よろしくね!